家族のため?自分のため?広すぎるリビングの罠
夫に連れられて、夫が良しとするハウスメーカーに意気揚々と出掛けた私は
ハウスメーカーに到着後すぐに異変に気づきました。
展示場の入り口付近で待つ、営業マンらしき男性が
待ってましたと言わんばかりの笑顔で私たちを出迎えると、夫もその出迎えにこたえるように満面の笑みで助手席の私を見て言いました。
『いやぁ、話を聞けば聞くほど本当に良い営業さんでさ。今日は本決定前の最終段階と思ってきてるから、要望あるなら伝えときなよ?』
『え?決まったってどういうこと?』
突然の話すぎて意味がわからないと慌てる私に
さも当たり前かのように
『そんなの、家のことに決まってるでしょ!
もう何年も前から君の希望は聞いてきてるから間取りやインテリアの趣味だってわかてるつもりだし、なにより君を驚かせようと思って営業さんと計画してきたのに…。』
私の反応が予想外だったようで
若干不機嫌そうに目をそらす夫の言葉に、私は愕然としました。
夫婦共通のライフイベントの中でも、子供が出来るのと同じくらい大きな決め事であるにも関わらず、『喜んでくれるはず』という見当違いな考えで
今後一生住むことになる住居について勝手に決めるなんてことあるんでしょうか…。
そもそも、信頼できる良い営業さんと言うなら、なおさらこんな事を奥さん抜きで決めるお客さんに疑問は持たないのか?
というハウスメーカーへの不信感さえ覚えました。(勝手な逆恨みかもしれませんが…)
展示場に入ってからのことはよく覚えていませんが
既に決定された間取りの図面や、水回りの仕様について説明を受けたのは鮮明に覚えています。
担当の営業から提示されたのは、『広くて家族の様子がわかるLDK』という意味では
私の要望は叶っていたのかもしれません。
ただ、リビングの隣に子供のお昼寝スペースとして設けてほしかった和室がありません。
そのことについて営業と夫に聞くと
『下手に間切るよりも、すっきりと広々としたリビングが人気ですから。』
の一点張り。
『でも…。』とさらに続けようとする私の言葉を夫が遮り
『予算的にも、無駄な和室を作るよりこちらの方が家族の時間を大事に出来るし、昼寝用の部屋なんていらないでしょ。』
と言われてしまいました。
決裁権が夫にあるという事から。マイホームを持てるだけ幸せと自分に言い聞かせ
20畳もある予算削減のためとI字になったLDKの図面を見ながら、早々に住宅ローンの話を始める2人の話を、他人事のように聞いていました。
そして、新築から1年たった今
『また〇〇(子供に名前)が、リビングで寝てるよ。部屋にあがるように言わないと!』
日曜の昼過ぎに、苛立ちを隠せないように私に言い放つ夫。
だから和室が必要って言ったじゃん…。
広すぎて寸胴なリビングは、インテリアのアレンジにも制限があり
子供がおもちゃを広げたり、昼寝をする機会が多いわが家では
綺麗好きな夫が家にいる休日には子供が室内で遊ぶにも、昼寝をするにも2階の子供部屋にあがる必要があります。
せっかくリビングを広くしても
結局2階に子供を上がらせていたんでは、何のために広くしたのかも分かりません。
後悔先に立たずとはこのことですね。